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科学的な恋愛心理学を伝えたい 荒田珠理さん・智史さんご夫妻

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夫婦で精神医学、心理学の講師として活躍されている荒田珠理さん、智史さんご夫妻。精神科医、臨床心理士として、科学的に恋愛心理や問題の社会的背景のつながりを日々説いているお二人に、これからの展望について伺いました。

悩んだ大学時代、臨床心理士の道へ
珠理さん
中学校の卒業文集には「臨床心理士になりたい」と書いていました。しかし大学は何となく法学部を選んだこともあり、やりたい仕事を見出せずもがいていました。弁護士は向いているかもと思いきや、法律よりも人の心理により興味が沸くことに気付きました。23歳は大失恋もあり大変でした。
大学卒業後、法律関係よりも臨床心理士の仕事をしたいと考え、国立の精神科病棟で下働きを始めました。重い心の症状の患者さんが入る閉鎖病棟で、窓が2センチしか開かないような閉ざされた世界でした。病棟で働きながら、本当にその方たちを援助したいのかを考え、もっと知りたい、心理学的を学んでサポートをしたいと決意。それから半年間、誰にも会わず、遊ばず、朝から晩まで勉強して大学院に入学しました。
大学院の2年間はとても楽しく、学べる喜びを知ることができた。在学中は臨床心理士としてセラピストやカウンセラー志望でしたが、まさかこの先講師業に携わるとは…

「これしかない」講師の仕事との出会い
珠理さん
25歳の時、同期から心理学の講師の仕事を紹介していただいたのが大きな転機。軽い気持ちでお受けしましたが、楽しくて、これしかないと思い講師を始めました。しかし、同期で講師業をしている人は皆無。私は精神の健康度が高い方への心理教育を希望したため、民間企業で就職活動をすることに。
募集が締め切られた後の就職活動で、都内の専門学校と短大を数十件リストアップして片っ端から電話しました。すると、一度は断られた医療系専門学校から、空きが出たと急遽連絡をいただき、準備期間1週間で着任することになりました。ご縁、タイミングですね。あの時の熱意がないとたぐりよせることはできなかった。27歳のときでした。プライベートではまた大失恋があり、最悪の時期だったのですが…現在は恋愛を専門とする臨床心理士、大手結婚相談所や話し方教室などで心理学の講師をしています。

智史さん
私は講師として5年、精神科医として12年間勤務しています。ほとんどの医師は臨床だけに携わりますが、私のように講師を兼ねるのは珍しい。講師業は勉強することが多く好きです。夫婦で心理学的傾向を分析し合うこともあるので、夫婦喧嘩をすると大変です(笑)。

精神科は医学部に入学するときから希望していました。精神科は入学するときから志望する人が多く、家族関係に葛藤を抱えていて、そこから興味を持つ人も多いです。心の闇をえぐる学問なので、明るくはありませんが、それでも知りたいというモチベーションが求められます。「なぜあの人はこんなことを言うのか、誰も教えてくれないけれど解決したい」という内容も扱います。

珠理さん
夫は医療系専門学校で出会って結婚しました。心理学関係の友人はセラピストで、講師とは見方や切り口が異なります。講師はより一般的、社会学的な視点で話をしますが、セラピストは聞き手に徹します。
次は何を伝えようか、生徒さんは何を知りたいのだろうか、と考える時、そしてそれを授業でうまく伝えられた時にいつもやりがいを感じます。妊娠して仕事は減らしていますが、私は仕事をしないと元気が出ないタイプ。やっと見つけた講師の仕事は一生大切にするつもりです。

これからも夫婦で心理教育に関わりたい

智史さん
これまでは医師として黙々と一人で勉強をすることが多かった。(珠理さんは)一緒にいて楽しい仲間で、個別のケーススタディについて彼女からから学ぶところがあります。一般的に恋愛心理は軽く見られがちですが、晩婚化や少子化などの社会的背景とつながっています。これまでの知識や経験を基に、遺伝、進化生物学、心の進化など、最新の研究のエッセンスを取り入れた講義ができるのが強み。精神論や経験だけでなく、科学的な部分を伝えたい。目標は夫婦で本を出すことです。

珠理さん
現在結婚相談所でセミナーを行っていますが、今後は希望者に夫婦でも個別のカウンセリングを実施していきます(キューピッドラボ)。同時に、心理教育や予防教育も進めていきたい。例えば、モラルハラスメントも心理学的に研究されています。また、結婚や職業選択など、人生の大事な選択をするときに心理学、精神医学の知識はきっと役立つはず。

プライベートでは、妊娠して、より自分が女性であると意識するようになりました。命をこの世に送り出す性として責任を感じます。できないことも増え、制約もありますが、それよりも大切なことがある。そして、「あなたはこうなってくれるから好き」という子育てはしないつもりです。悩んで相談に来られる方は、この「条件付きの愛情」に苦しんでいる人が非常に多いので。

智史さん
幼少期に「勉強しなさい」「勉強しないと愛されない」という親の態度は子供にとって辛いものです。結果として、性格的な偏りが出たり、重い場合は人格障害として大人になるまで影響する恐れもあります。子育てはそれ程責任が重い。社会ではまだ十分に認知されていないので、積極的に伝えていきたい。

荒田さんご夫妻のカウンセリングルーム

キューピッドラボ ~精神科医と臨床心理士の恋愛心理カウンセリングルーム

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